地下鉄西神・山手線 北神線 ダイヤ改正に寄せて

こんにちは。随分と更新が途絶えており申し訳ありません。さて、かれこれ半年も前の北海道旅行記がまだ完結していない状況ではありますが、今回は舞台を地元兵庫県に移し、神戸市営地下鉄について綴っていこうと思います。

去る7月18日、神戸市交通局より2023年8月18日に西神・山手線北神線ダイヤ改正を行う旨のプレスが出ました。主な改正内容として、

(1)車庫機能の再編に伴い谷上車庫の運用を一時休止
(2)平日朝8時台の名谷以西、西神中央行列車を2本増便
(3)ダイヤ改正に伴い、各駅の発着時刻変更

-神戸市交通局公式サイト(https://www.city.kobe.lg.jp/a80062/kurashi/access/kotsukyoku/subway/news/2023/2023daiyakisya.html)より引用

の3点が挙げられると同時に、1000形・7000系の引退も告知されました。この記事を執筆している段階でもう改正2日前とかそう言うレベルなので今更なんだって話なのですが、ここまでは長ったらしい前置きということで、本題に入っていこうと思います。ダイヤ改正直前ということで、前回のダイヤ改正、つまり現行ダイヤとなる前夜の思い出話です。本当は改正1周年の今年6月10日に書こうと思ってたのに放置してたのはここだけの話。それではどうぞ。

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一年少々前の2022年6月9日まで時間を巻き戻そう。西神・山手線は、この頃1000形が6編成、7000系は全車健在だったとはいえ既に3000形はおろか2000形も全車引退済とあって地下鉄へのモチベーションが下がっていた時期であったが、2日前に52号車(7052F)が西神車庫へ疎開され、改正で北神車の運用が大きく変わるとあって仲間内で神戸の地下へ潜ることに。まずは改正で充当回数が大削減される事となった北神車の新神戸行き。

うーん最終日の日中に55か〜と正直ガッカリしたところではあるが、写真の立ち位置では時間も分からないし正直なにかと微妙な結果に。その後すぐに運番62でやってきた54号車(7054F)や余命幾許かの12号車(1112F)を撮影し、夜を待った。本番はここからである。

夕方、お目当てだった51号車(7051F)が所定通り運番63で出庫してきたのを確認し、歓喜に沸く我々。運番63最終日とあって、各々思い思いにカットを稼いでいく。順調に谷上⇔西神中央を一往復し迎えた二往復目。私は西行きでやり残したカットがあったので、一旦単独でケツ撃ち闇の撮影地へ。入線してくるアイボリーと淡茶色の車体に「7051」とあるのを確認し、安心して発車を見送りつつ、シャッターを切る。

シールドトンネルの向こうに消えていく51号車。私はこの光景を忘れないだろうと今でも思う。何を隠そう、この折り返しでとんでもない事件が起きたからである。

改めて定番撮影地でのカットが欲しかったので、比較的難易度が低い撮影地へ。そこで仲間の一人と再度合流した。この頃の西神・山手線はまだある程度1000形が生き残っていた事もあり、その記録等をしているうちに、51号車が戻ってくる時間に。前駅を出たとの案内。しかし…「…あれ、なあこれモノよな?」と仲間が口を開く。え?そうやろ?北神車の時間や。「なんかLED見えとんねんけど…」…あ。西神・山手線北神線でLEDの前照灯を搭載しているのは6000形のみである。え?は?何???何が何だか分からない。しかし北神車の時間に入線してくるので何が何だか分からないままシャッターを切り、慌てて画像を確認する。

やってきたのは41号車(6141F)で理解が追いつかない。改めて表示を見てみると、なんとビックリ[63 新 神 戸]とあるではないか。なんということだ。トンネルの向こうへ消えた51号車は、行ったきりそのまま帰って来なかったのである。やられた。ダイヤ改正を前に、どこかで車両取替を行なった。52号車が西神車庫に疎開したことを考えると、51号車も西神中央で取替られたのだろう。これで51号車の撮影は継続できないこととなり絶望したいところだが、被写体はそうもさせてくれない。取替相手は6000形、そう。運番が表示されるのである。いとも簡単に北神スジ代走とわかる。それも今日限りで廃止される運番63。撮り続けるしかないのだ。私と同行した仲間は他の仲間に取替の旨を連絡すると、急ぎ地上へ。

西行き、東行きともどもなんとか被りも回避し、無事に運番63の代走を撮影することが出来た。

併せて改正で消滅した北神車による夜の新神戸行きも撮影し、入庫時刻が早い運番63はこれで入庫となるので一通りの被写体の回収が完了したので撮影を終了。一行は51号車が西神中央で車両取替がなされ、そのまま入庫、疎開されたと見て、一路西神車庫へと向かった。

我々の予想は当たっていた。西神車庫で先に疎開されていた52号車の隣に留置されていたのである。

これから一年近く続いた西神疎開であった。これにより、51,52号車は定期運用を離脱。私が撮影した51号車の西神中央行きは、奇しくも最終営業運転となってしまったのである。

あとはみなさんご存知の通り、翌日のダイヤ改正以降北神車の運用は平日朝夕の60,61と土休日朝の60、この3運用のみに限られてしまい、日中運用は完全消滅。充当車もほぼ55,時々53,たまに54といった具合となってしまったのである。

それから一年と少しの時間が流れ、先日西神車庫から7000系の姿はなくなり、1000形は18号車1編成を残すのみ。そして7000系共々、あと数日で神戸の地下から姿を消してしまう事となる。6000形の新製投入時から、既存車全て置き換えは公式からも言われ続けてきたことであるが、いざその時が来たとなると実感が湧きにくいところではある。しかし、1000形は確実に見なくなったし7000系も車両を選んで撮影することは難しくなった。そして来週には完全に営業線で見られなくなるのである。2020年から3年間にわたって私の趣味を支え、一撮り鉄としてたくさんの経験や思い出をくれた数々の既存車やその運行を支えてくださった交通局の皆様への感謝の思いを胸に、今回はこの辺りで筆を置かせて頂く。ありがとうございました。